11月5日に、第40回AJG研究会「アカデミック・ジャパニーズにおけるパフォーマンス評価としてのルーブリックを考える」でレポート関連の話題提供をしてきました。
その際に関西大学の黒上晴夫先生による
「パフォーマンス評価としてのルーブリック」
という講演が面白かったので少しまとめておきたいと思います。
現在のアクティブラーニングが出てきた背景から
ルーブリックの実践的な活用方法などとても勉強になりました。
その中で「ルーブリックの作り方」についての説明がありました。
スライドではルーブリックの作り方として次の3種類があるとのことでした。
・作品を集めて段階分け→共通点を基準に(西岡)
・評価ポイントを序列化→組み合わせて基準に(安藤)
・授業目標の達成度を段階化→規準と+α(黒上)
この点は以前から気になっていたことです。
ルーブリックの作り方の説明において、説明する人によって2パターンあると思っていました。
一つは上記の西岡先生(や田中耕治先生、石井英真先生)の作品群をベースにレベル設定をするというものです。
もう一方は、上記の安藤先生や黒上先生のように、作品群から独立に観点やレベル設定をするというものです。
なんとなく2パターンあると思っていたのですが
明確に説明を受けてすっきりしました。
個人的には作品群をベースにして作成するのがよいのではと思っています。
作品群から独立に設定された観点やレベルはあまりうまく機能しないのではないかというのが一つの理由です。
また、同じ事ですが、ルーブリックは、個別の作品がなぜそのレベルの評価を受けるのかを教師が説明するためのものであると思うからです。
このあたりは石井先生の御著書が参考になると思います。
黒上先生になぜ西岡先生バージョンを採用されないのかの理由を伺いました。
その理由は、「ルーブリックは授業での評価に使うものであり、事前に生徒に示すべきであるが、ルーブリック作成のために作品群を集める際にはルーブリックを事前に学生に提示できないから(大意)」ということのようでした。
これは確かにそうで、最初の作品群をどのようにして集めるかは問題となると思います。
しかし、長期的に見れば、その1回目の作品群の収集に問題があったとしても
2回目以降はその問題はクリアされるのではないかと思いました。
その点も休憩時間に黒上先生に質問してみたのですが、時間切れでその後意見交換ができませんでした。
上記のルーブリック作成法の2パターンは実質的には本質的な違いではないかもしれません。
というのも、作品群ベースではない作成法も、これまでの授業経験から、頭の中で作品群をイメージしながら観点やレベルを考案しているだろうからです。
いずれにせよ、ルーブリックは1度作成したら完成、というものではなく、常に改善が必要となってくるでしょう。
その際の基準は実際の作品群がベースになるのではないかと思います。